ぼくの世界では

君野世界 on 表裏一体

鼻歌

 

僕は暗い店の中

1人の黒い影を見た

僕はそいつの目を見た

誰かに教えてやろうってさ

 

だけどそいつは僕を見た

そいつは僕の目を見つけ

こっちへ向かって来たからさ

僕はできるだけ速く走ったんだ

 

あああ荷物がじゃまくさい

左右に揺れて足を蹴る

いつもの駅の灯まで

後ろ 見ずに 走ったんだ

 

駅の待合室に着き

後ろを振り返ってみたけれど

やつはどこにもいなかった

僕はやつの顔を忘れたよ

 

待合室は臭かった

タバコの匂いと人の匂い

おじさんのじゃんばーの匂いと

ほかの汚い匂いがした