ぼくの世界では

君野世界 on 表裏一体

さむいねさむいね

 

 

10月も4日目ということで北国の寒さは極まっています。

 

雪が降ってしまってからは、今頃の気温を人は、「暖かいね」なんて言ってしまうようなもんですが、それでも秋には秋の装いがあって秋には秋の心持ちがあるわけです。

 

秋のこと。

 

まさに北風のようにピューッと過ぎ去っていくのに、思い返してみると心の中に写真が何枚もある。

昼の乾燥した太陽や、夜視界をまるごとライトアップする雨。灰色の朝は頼りない。薄暗くなって輪郭がぼやけてきたら、あの人にいつもはしない大胆なこともできるかもしれない。

 

そんなみんなの秋だけど、私とみんなちょっと違うところがある。

私とあの人のための秋の特別な顔。もう、3回目の秋か。初めて、離れ離れの秋だけどこれからも何度も何度もこの季節をすごすんだから、色々あったほうが楽しいじゃない。

 

ほかの11個は忘れちゃうけど、この日だけは一生二人の日だよ。あなた以外はありえないから。

 

いつもありがとう。

 

 

ぷんちゅ

 

夏になるといつも蜘蛛が巣をつくる

 

 

 

 

  階段を上がって振り返ると正面に見える窓に足の親指くらいある蜘蛛が毎年巣をつくる。そもそも蜘蛛はそんなに苦手じゃないし、窓の内側には入ってこないのだから気持ち悪いと思ったことはない。なかなかセレブな生活に見えるので来世では蜘蛛もいいかなと思う。

  ぼーっと観ていると、まずは巣にかかった蛾を食べている。葉と蛾の識別はできないようで、葉を食べようとして辞めることも何度かあった。同じ葉を食べようとすることもあったので、それほどには頭がよい訳では無いのだなと思った。

   次に縦の糸を引きはじめた。重力をつかって下に引く。上に引くのはどうやっているのかわからない。夜なので何かをつたっているにしても何も見えない。縦の糸は粘着性が無いのだろう。八方向に引いたところで終わった。

  蜘蛛が体制を変え、最後の仕上げに差し掛かったところで、わたしは観察を終えた。蜘蛛を観てもなにも満たされないことに気づいたからだ。ついでに、自分が満たされていなかったということにも気づいてしまった。

 

 

  その夜は、寝る前に今年入ってから最悪の知らせを聞くことになる。「消えてなくなれ」と呟いた。腹を立て涙を流す対象はいるのだがそれらの行動は自分のエゴなので、その対象をどうにかしてやりたいと思うのは道理に反すると心底理解している。そのため、世界中全員が、むしろこの世界自体がなくなってしまうことで、誰も傷つかずにこの思いを亡くすことができる。そういうひねくれた気持ちで、いくつか全てを破壊する類の言葉を思いついては心の中で消していった。

 

 

  朝になって心は穏やかだった。

 

 

  また夜が来た。昨日から続くこの破壊的な心の始末が見えてきた気がする。頭の中の誰かが「もっと絶対的になるのだ」と言ってきて納得した。自分が絶対ではないと思うがために、自分の立ち位置を脅かすような存在を本気でおとしめようと思ってしまうのだ。ああ、情けない。こんなように生きていきたくはない。愛を引き延ばす力さえあればもっとよく生きられるのに。

しかし来世までは待てない。

 

二年生

 

 

思い出そうとすると

どこまでさかのぼれば昨年の4月にもどれるのだろうかと思う

 

過ごした時間があまりに密であるので

昨年の9月は

一昨年くらいかなとか思ったりして

そんなに1年でやったわけないとか思ったりして

逆に薄く感じる

 

「高2はいいぞー」とか言うパーソナリティがいたけど

それを聞いてたのは13歳で

「高2」は恋愛とかしまくって部活も思いっきりやって1年中夏みたいにキラキラした汗をかきまくるものだと思ってた

 

本当のところはどうだったんだろう

ずっとはキラキラしてなかったな

 

やりたいことをやってるうちに

やりたくないことも同じくらいやらなきゃいけなかった

 

忙しさの中で結果がすべてだと思った

 

過程の中でなにをやっているのかわからなくなったときもあったけど

 

みんなが過程のわたしを褒めてくれたから

これでいいのかと思えた

 

思い返してみればいくつもの結果を残した

17歳にしては

 

だけど

 

一年かけて無理だったこともある

 わたしはあの人の歌をかきたい

 

なにはともあれ二年生も今日で終わり

 

明日がないわけでもないのだけど

 

ちょっとしんみり

 

ありがとうをたくさん言ってみようかな

鼻歌

 

僕は暗い店の中

1人の黒い影を見た

僕はそいつの目を見た

誰かに教えてやろうってさ

 

だけどそいつは僕を見た

そいつは僕の目を見つけ

こっちへ向かって来たからさ

僕はできるだけ速く走ったんだ

 

あああ荷物がじゃまくさい

左右に揺れて足を蹴る

いつもの駅の灯まで

後ろ 見ずに 走ったんだ

 

駅の待合室に着き

後ろを振り返ってみたけれど

やつはどこにもいなかった

僕はやつの顔を忘れたよ

 

待合室は臭かった

タバコの匂いと人の匂い

おじさんのじゃんばーの匂いと

ほかの汚い匂いがした

始発

 

 いつもは上川駅6:07発の始発に乗って旭川へ向かう。旭川には7:14に着くため、1時間と7分の小旅行である。

 だけど、その小旅行も今日は一味違った。旅行会社のミスでなんと出発が77分も遅れた。77分も遅れると、さすがに2発(始発の次の電車)の時間も追い越してしまう。いつもは見ない高校生なんかも乗っていて、ぎろぎろと動かす目は本当に目障りで仕方ない。しかし、目障りだと思うのは、僕はまだやつらを対等に思っているということだろう。僕は辺りを見回した。他に、高校生の姿を気にしているような大人は誰一人いなかった。 

 女子高校生の1人が電話をしだした。「もしもし」「今東旭川に止まってる」「駅に止まってる」「うん、わかったー」

 隣にいたおばさんが言った。「心配してお父さんが連絡くれたの」「そうなんです」

 なんだ、やつらはやっぱり守られた存在なんだ。僕はなんとなく座り直し姿勢を正した。

 高校生は前髪を直した。

保険証忘れた、どうにかなった

昨年の10月くらいから

色んなことが取るに足らないことに感じて

取るに足らないことを気にしている私が小さく思えて

好きを好きじゃなくなったり

新しいものを好きになったり

自分はもっと変わらなきゃいけないって思ってた

 

そして

あの六月に止まった時を始めようと思って

前髪を切った

 

挑戦せずには始まらないと思ったから

高校生を終わらせられないって思ったから

自分にとって必要なことだと思ったから

 

今日を始まりの日にした

スタートダッシュは90点

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だけど今はとてつもなく、さみしいです。

 

とても寒い日

-14.5℃

 

マイナスがつくかつかないかで大分ちがう。

 

今日は黒いタイツを履いていったのが間違いで、駅から歩き、学校につく頃には私の足はピリピリと痛んだ。

 

 

 

来週月曜日、学校に行けば火曜日からは冬休みが始まる。先生方は、授業に区切りをつけるためにいつもよりもそそかしかった。

 

冬休みといっても、毎日講習のために学校に行くのだが、やっぱり学校が終わるというのは特別なかんじがする。

1年の終わりも同時に近づいているからもあるのだろう。

 

 

駅の傍のドーナツ屋は、部活帰りの7時に見ても空いてることは少ない。

今日は早く帰れたので、彼氏と学校を早くでて、4時ごろに覗くと空いていた。

不意に通りがかって入るよりも、心の準備をしてわざわざ行くことのほうが少し恥ずかしいと思った。

きなことプレーンとチョコを食べた。

 

 

 

汽車に乗ると、見渡す限り席は満員で

それでも奥に行ってみれば空席があるだろうと思って進んでみた。

仲良しおばあちゃんの3人組が、座りなと言って、2人組が向かい合う席の一つを勧めてくれた。

 

私は単語帳を出し、チェックを入れていく。

3人組は世間話をする。

 

おばあちゃんに私は、この中のどの人に似ているだろうと想像して

きっとずっと窓を見て、残りの2人の話をたまに聞いている1人だなと思った。

 

 

 

「もうクラス会も終わりましたね〜」

どうやら今日はクラス会があったみたいだ。

クラス会って、同窓会かな。

見た目から想定して、70歳はいっている。クラス会っていうのがあるのか。すごいな。

 

「1年が終わるね〜」

「もう掃除をするって訳じゃないんだけど、なんとなくそわそわする」

「そうね〜」

 

家の中でも、家の外でもずいぶん働いていた若い日のおばあちゃんたちの姿が少し想像できた。

 

そんな彼女達のしわのある手の薬指には、買ったばかりのようにキラキラに輝く指輪がかかっていた。